つぶれる会社には「わけ」がある 書籍紹介

会計の気になる話

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仕事柄、ビジネス書、会計に関する本を読むことが多いです。
今回は管理会計についてわかりやすく書いた本について紹介したいと思います。

つぶれる会社には「わけ」がある
林總(あつむ)さん著です。

一般的に会計の本はあくまで専門書であり、実際に使いたい経営に活かす部分となるとどう考えて良いのかわからないことが多いです。ところがこの本は、ストーリー仕立てなので読みやすく納得しやすいです。理解できたか?と言われると難しいですが、繰り返し読むことで少しづつ知識がつくように感じます。

細かな内容は実際に読んで頂くとして、
私なりに重要と感じたポイントをまとめてみます。
ネタバレなのでこの後はご注意ください。

登場人物は9人です。
このうち7人が経営者。うち1人が会計士、1人が企業を考えています。
7人の経営者のうち3人が失敗、4人が成功しています。
この失敗談、成功談をもとに会計を照らし合わせて話が進みます。

要は、どうすれば成功できるのか。という話になりますが、
「1日に30社が潰れている」という数字から話がスタートするように、
そもそも失敗すべくして失敗しているという部分も触れています。

理解していないと失敗してしまうかも…
1. 商売は儲けが無くては続かない
2. 儲けとは、稼いだ現金であり、利益ではない
3. 黒字(利益)でも会社はつぶれることがある
4. 現金が回転し続けていないと商売は続かない
5. キャッシュフロー(現金)をどうやって稼ぐかが重要

単純に利益アップを狙うだけでは会社は成り立たないということでしょうか。
手もとの現金を、如何にして増やすか。シンプルに言えばそうなります。
いくら利益が出ていても、売れない在庫が山になっていたりすれば、
そのうちつぶれてしまうという事ですね。

このような事を踏まえて成功するための法則が以下と記しています。
1. こだわりをなくせ
2. キャッシュフローを重視せよ
3. マネジメント力を強化せよ
4. 社長は引き際を心得よ

1. こだわりをなくせ
商売がスタートして軌道に乗り始めると顧客を忘れて自分の価値観で判断するようになってしまうようです。
そんなこだわりは捨てて顧客の声を聴くことで成長できるかと思います。

2. キャッシュフローを重視せよ
利益ではなく儲けを出す事。現金を如何にして効率的に増やすか。加えてリスクや投資のための蓄えも考えないといけません。

3. マネジメント力を強化せよ

経営者のもっとも大切な役目は将来ビジョン(挑戦的目標)を示す事だそうです。プレーヤーではなくマネージャーとして明確な采配が求められるのが経営者というところでしょうか。

4. 社長は引き際を心得よ
社長も成長しますが、会社もまた成長します。さらに継続した成長を望むのであれば、次の後継者に良きタイミングでバトンをつなぐ事も重要なようです。

他にも、1億で100万を稼ぐよりも1000万で100万を稼ぐ事が大事であるとか、利益追求の為、人件費を割くとサービスや品質の低下につながる。などなかなかしっかりと把握できていない部分も書いてあり、勉強になりました。
この本は経営者はもちろん、会計士の方も刺激を受け、勉強にもなる気がします。

しかもそれぞれの語りで話が進むので非常に読みやすいです。
興味を持った方は読んでみてはいかがでしょうか。

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